当院も、大半の心療内科・精神科のクリニックと同じように、予約制です。
病院にかかるとき、もちろん安定して落ち着いた状況の場合もありますが、行って待つのもしんどい状況の場合もあると思います。
予約の時間に行き、待たずに診察を受けられるのが理想ですし、私自身が病院にかかる時も、そうであってほしいと思います。
開院前から、どのような運営が待ち時間が少ないか、色々と考えていました。
現在、当院では、初診40分、再診10分の枠で予約をお取りしています。実際の診療としては、初診が約30分〜60分、再診が約5分〜15分ほどになっています。
幸い、多くの方が、予約時間の少し前(初診の場合は問診票の記入があるため15分前)に来てくださっています。
再診10分は短いのではないかと思われる方も多いと思います。
私も、そう思います。一般的に混んでいる外来では、5分程度しか時間が取れないことも多く、たいていの精神科医は、本当はもっと長く話を聞けたらいいのにと、日々ジレンマを抱えています。
開院前に、どのくらいまでの時間が可能なのか計算しました。
午前と午後に初診を1人ずつとして、15分ずつ再診を入れ、キャンセルも考慮すると・・。
外来診療時間が少なく、お一人に時間をかけた訪問診療も行っている当院では、これだと、なんと、月の収入が、支出とあまり変わらない。つまり私の収入が0になってしまうのです。
診療報酬の仕組みとして、丁寧に診察すれば収入が増えるわけではないため、多くの患者さんを診ないと、いわゆる「ツブクリ」(つぶれそうなクリニック)になってしまうのです。
医療費抑制の方向から、今後も、診療報酬は下がることはあっても上がることは難しいでしょう。
かといって、自費診療枠や予約料(選定療養費)をいただくことも考えましたが、病状で働くことが難しく、経済的な困難を抱える患者さんのことも考え、今の形としました。
さて、お一人10分の再診を予約するとき、9時Aさん、9時10分Bさん、9時20分Cさんとするやり方もあれば、9時〜9時30分枠にA,B,Cさんというやり方もあります。
現在の当院は、前者ですが、今後、来院数が増えると、後者にせざるをえない状況になるかもしれません。
1日の中で、予約時間に全ての患者さんが時間通りに来院されることは、まずありません。遅れてくる人、無断キャンセルの人、とても早く来院される人、様々です。
枠内に数人の予約方法だと、そういったばらつきが解消しやすいのですが、お待たせする時間もそれなりに発生してしまいます。
今回の診察時間と待ち時間の話は、上手い解決法があるわけではありません。
現実と理想の間で、出来ることを、なるべく丁寧にやっていけたらと思っております。
そして、お待ちの時間は、1階の待合室だけではなく、2階の待合室に、本や大人の塗り絵など用意しておりますので、ぜひご利用ください。
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