​強迫症とためこみ症

 強迫症は、強迫観念(頭の中をずっと占める考えやイメージ)によって生じた苦痛や不安に対処するために、強迫行為を行い、それがやめられないことで生活の支障が出ている病気です。強迫観念の内容は、汚染恐怖、加害恐怖、正確性の追求、数字や対称性のこだわりなど様々です。強迫行為にやや時間がかかるといった軽度の方から、家族も巻き込んで通常の日常生活がいとめなくなる重度の方まで、その程度は様々です。

 治療は、薬物療法とともに、暴露反応妨害法などの認知行動療法が有効です。強迫行為は、そもそもは強迫観念からくる不安を和らげる行動なので、強迫行為を行うと、一時的に不安が下がって楽になりますが、結局すぐに繰り返しになり、強迫行為がだんだんエスカレートしてしまいます。強迫行為をした場合より時間はかかりますが、不安を打ち消す行為をしなくても、不安は自然に下がっていきます。認知行動療法では、まずは、ご自分に起きている状態や、症状が続く(あるいは悪くなる)メカニズムを知っていただくことから始まります。

 ためこみ症では、様々なものを過剰に集めて、強い愛着から捨てることができなくなり、結果として家の内外にあふれるほど物がたまってしまいます。そのことで、寝る場所やトイレすら使えない状況になったり、いわゆるゴミ屋敷になったりすることもあります。外来での治療だけではなく、それほどためこまなくても安心して暮らせる生活を一緒に考えながら、時には家を一緒に整理していくことが必要となることがあります。