先週の土曜日に、楽の会リーラさんの月例会で、講演をさせていただきました。
楽の会リーラさんは、ひきこもりの人やその家族に、同じ経験をした仲間として、相談や学習会、居場所活動など、さまざまな活動をされています。
お声かけをいただき、「精神科クリニックが家族・本人に役立てること 〜自分らしく自由に生きるために」という題で、精神科クリニックにかかると、どのようなことができるかをお話しました。
「ひきこもり」はもちろん病名ではありませんが、背景に精神疾患があることで、一歩ふみ出すことがより難しくなっていることがあります。診断がつき、薬物療法や心理療法を行うことで、ずっと嫌な考えが浮かぶ苦しさが和らぐこともあります。
また、受診につながることで、医療福祉サービスや社会資源につながることもできます。
ひきこもっている方のご家族から、「心療内科・精神科にかかってみたら良いのではと思っても、本人がかかりたがらない」という悩みを多くお聞きします。
心療内科・精神科へのスティグマ(偏見)は、残念ながら今もありますが、誰しも生きていれば辛い出来事もあり、不安に苛まされたり、時に眠れなくなったり、落ち込んだりします。それが続いて、生活に支障をきたすときは、かかってみるのも一つの選択肢だと思います。
ひきこもることは、自分を守る防衛反応であり、おかしなことではありません。
問題なのは、エネルギーが充電されてきて、動き出したくなった時に、道が閉ざされてしまって戻れないと感じることや、過去の辛い体験から、もう動き出したくないと感じること、ひきこもっていることで、自己肯定感が損なわれてしまう人もいること、です。
まずは、今の気持ちや考えていることを、話してみていただくことだと思っています。