クリニック名、悩みました。地名が入っている方が、見つけてもらうのに有利だとは思いましたが、悩んだ末に、「こころとくらしの言の葉クリニック」にしました。
心療内科・精神科なので、「こころ」はよしとして、なぜ「くらし」なのでしょうか。
ジョージ・エンゲルが提唱した「生物・心理・社会モデル」という考え方があります。例えば、シングルマザーのうつ病の方がいたとします。生物学的には、セロトニンの不足など、脳の問題で、これは薬が役に立つでしょう。心理的には、支えになる人がいなかったり、うつになりやすい考え方のクセがあったり、子どもの頃からの家族葛藤を抱えておられたりするかもしれません。これには精神療法やカウンセリングが有効かもしれません。社会的には、もし経済的に困っておられたら、社会保障の制度を申請することも考えられますし、うつで動けなくて掃除も食事もちゃんと出来ないことを悩んでおられたら、ヘルパーさんなどのサービスが役に立つかもしれません。他には、子どものことを相談する機関を必要とされているかもしれません。
心療内科・精神科での治療は、本来、患者さんの生活をよくするためにありますが、現在のアプローチは、「生物(と心理)」に少し偏っているのではないかと思います。家に訪問するアウトリーチの仕事をしていた時に、生活が整って安心して暮らせることで、病状がよくなられることを実感し、「くらし」をよくするための方法を一緒に考えるクリニックでありたいと思っています。そして、「言の葉」は、そのためには、対話を重ねる必要があり、患者さんの言葉を大事にしたいという想いがこめられています。
ちなみに、候補に上がった他のクリニック名ですが、「泉」「湊」「友愛」「星彩」「ほんわか」などなど・・。かぶっていないか調べるために、都内各所のクリニック名を見ましたが、色んな想いがこめられた名前がありますね。
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